序章

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金属が壊れていく音が響きHPバーを削りながら、刃物の破片が粒子となって飛び散る。 そして、最後の一撃を放つ瞬間身体を無理矢理捻り斜め下に向けソーサラー・キラーを落とす。 (これだけ攻撃してもHPバーが半分くらいしか減らねぇか………。まぁ、あとは) 「……あとは任せたぞヴァイド」 テオは重力に引かれながら地上に落ちていく最中赤髪の相棒の方を見る。 「時間稼ぎゴクローさん」 そこには、赤い髪を風に煽られながら杖を構えているヴァイドが影がかかった笑みを浮かべ魔法を穿とうとしている姿があった。 「さっきのお礼だ!受け取りやがれ!!」 その言葉が紡がれると同時に杖から巨大な魔法陣が描かれ、その魔法陣から極太のレーザーのような雷(いかずち)が放たれ一瞬でソーサラー・キラーを飲み込みHPバーをもの凄い勢いで削っていくが、やはり止めまで届かない。 その雷撃が穿たれた真横には重力に引かれおちていくテオの姿。そしてテオはその勢いを利用し、上空から剣高くを振りかぶり全力でソーサラー・キラーに向かい振り抜く パキンッ という音をたて真っ二つに割れた。 そして、割れたソーサラー・キラーは爆散し無数のポリゴンの粒子となり消えていく。 テオは上手く着地を成功させ、はや歩きでヴァイドのもとに向かう。もはや競歩と言っていい速度だ。そしてテオは心の中を曇らす、どす黒い感情を隠しながら神父様然とした格好の赤髪バカ……もとい、ヴァイドに近づく。 しかし、ヴァイドはそんな心境を梅雨知らず満面の笑顔でテオをみてる。そしてテオは即座に左手の指を揃えヴァイドの喉もとに打ち込む。 「かフぅっ!?」 空気が抜けたような音がした。
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