283人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
「えーと…二人共…お名前は?」
(名前が分からなくちゃ…教えられない💦)
「俺は國木田誉。よろしくな!」
「八野世菜…。よろしく。」
「國木田君と…八野君…よろしく。」
俺と世菜は、クラスが分からず途方に暮れていた時、美少年な同級生に声をかけられた。
しかも俺達のクラスを教えてくれるという。
で、いまはその心優しい同級生に自己紹介をしていた所だ。
「亜矢斗…!なんで先学校行くんだよ!!!」
そう云いながら、誰かが此方に向かって廊下を走っている。
「…あ。安君…。」
「俺と一緒に学校行く約束してただろ!!!」
そう云って、俺と世菜を突き飛ばした。
「痛…っ」
「…っ なんなんだ彼奴はッ」
世菜が鋭く睨んだがそいつは無視。
俺達の存在は視界に入っていないみたいだ。
髪を金に染めて、目はツリ目で、口と耳にピアスをつけた…見た目が明らかに不良な男。
でも何処と無く‥…亜矢斗に似ている。
亜矢斗と同じく前髪はパッツン、
毛先は綺麗に切り揃えられている、
肌も白い。
よーく見れば
“何処と無く似ている" ではなく
そっくりである。
亜矢斗と違う所といえば、
髪は短く、目はツリ目、ピアスをつけているかどうかという点だけである。
「ごめんね…。安君…何回声かけても…起きなかった…から。」
そう云って、俯いた。
「なんで‥亜矢斗が謝るんだよッ起きなかった俺が悪いのに…っ」
「あっ・・」
その光景を見て、俺と世菜は唖然とした。
いきなり安が亜矢斗を抱き締めたからである。
正面からぎゅーっと。
.
最初のコメントを投稿しよう!