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「いい加減にしろ。」
(うるさい生徒達だ…。)
突然、騒がしかった教室に声が響く。
その一言で、先程まで喋っていた連中を黙らした。
たった一言で―――
そいつらは担任の方を見て、口をかすかに開けたまま微動だにしない。
相当驚いたようである。
―――無理もない。
自分の事を云いたい放題云っていても、咎めなかったのに……何故かいまはかすかに担任の顔が怒りの表情に包まれている。
そりゃあ……いい加減堪忍袋の尾が切れるだろι
だから、間抜けに口を開けたままの状態なのだ。
「月島先生、聞きたい事があるんですが。」
空気読めよ、男A!!
[※面倒くさいので誉はクラスメイトの事を簡潔に呼んだ]
手をあげて、担任に云う男A。
静まり返った教室にそいつの声はよく響いた。
眼鏡をかけた……見た目がガリ勉風の細い男子である。
‥…眼鏡をかけた同士なのに、こんなに違うんだな。
世菜の方が断然かっこいい。
てかガリ勉風って……なに?って思うよねー なに俺、失礼な事思ってるんだろうι
「発言を許可する。云ってみろ、野之村(ノノムラ)。」
へぇー‥アイツ野之村っていうんだ。
まぁ、興味ないけど。
あんなのとは‥…正直友達にはなりたくない。
「はい。今日は“新入生歓迎会”があると、昨日聞いたのですが―」
10分間のSHRなのに、全然本題の話がされていなかった。
皆うるさすぎたから、先生話したくても出来なかったんだな;;
「あ…そうだったな。いまから説明しよう。」
いよいよ本題の説明だ―
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