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「なぁ、世菜。俺、地下室に行きたい。」
誉は横に居る世菜に話しかける。
「ん?‥…彼処には行かない方がいいぞ、誉。」
何故か地下室に行く事を認めない世菜。
「どうして…ですか?ボクも…行ってみたいです。」
世菜の声に反応し、世菜の隣に居た亜矢斗が反論する。
「どうしてってιだって、生徒が利用しないし、誰が居て、何の為に使う部屋なのか分からないじゃないか、亜矢斗。」
謎に包まれた地下室―
亜矢斗の問いに困惑する世菜。
「「そこが興味をそそるトコなんだよ!」」
……あ。 誉と亜矢斗の声が重なった。
珍しく亜矢斗は間をあけて喋る口調ではなかった。
それほど、興味があって興奮しているという事が誉と世菜は瞬時に理解した。
「ハァー…分かったよ。ただし、条件がある。」
人差し指を俺達にビシッと突き付けて、世菜が云った。
「なんだよ、いきなり…。」
(びっ‥ビックリしたぁ。)
「……」
亜矢斗はそんな世菜を訝しげに見つめる。
「条件……早く云って。」
亜矢斗が世菜に詰め寄る。
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