283人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん?俺だってお前みたいな“終始顰めっ面”の奴は、嫌いだ。
反抗するのは…お前等が気に入らないからだ。」
“終始顰めっ面”
その言葉を聞いた誉達は、
確かにそうだな と 心の中で云った。
口に出して云えば、制裁が下されそう‥…だから。
能面みたいな顔しやがって、ウザイんだよ!
気に入らねぇ。 気に入らねぇ。 気に入らねぇ。
頭の中がその言葉で埋め尽くされる。
あぁ……コイツヤっちゃってもいいよね、兄貴?
いいよね、兄貴。
兄貴を怖がらせる奴は、俺の敵。
敵。敵。敵。
そう思えば俺の感情は高ぶり、自然と親指を下に向けていた。
「その態度は……宣戦布告と判断していいんだな。いいだろう、受けて立つ。」
なんか‥…段々状況が悪化しているような。
大丈夫かι
コイツは一回しめないといけないな。
‥…もう二度と反抗しないように。
制服の袖にいつも常備している(隠し持っている)トンファーを出し、奴に攻撃を開始した。
それを見て、誉達は驚愕の声を漏らす。
「どんな所に武器隠し持ってるんだよ、アイツ!!」
「ヤベーなι」
「どうしよう…安君…大丈夫…かなぁ。」
「‥…朔斗が勝つに決まってるだろ。」
誉達の会話を聞いていた皆瀬が、そう云って不機嫌そうにジト目で云い返す。
凄…っ 目力鋭すぎ・・・
あまりの皆瀬の迫力に俺は一歩後ずさる。
「今までアイツが負けた事など……ないのだから。」
ボソッと小さな声で呟いた―――
.
最初のコメントを投稿しよう!