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「…なんのようだ。」
そいつは俺の方を見て目を細めながら、云う。
………
あ、やべ。
顔じーと見すぎてたな。
失礼だったよな。
「あ、ごめん。ジロジロ見ちゃって。」
「…。別にいい。
で、さっきも言ったが、なんのようだ。」
何故か俺の顔をジロジロ見てくる。
なんや?
俺の顔に何かついとるんか?
「俺と友達にならん?」
友達になってくれるといいな…。
「…別にいいよ。」
なんか知らんけど、顔真っ赤にしながら、云った。
ホンマ、なんや!!?
…まぁ、高校入学して初めての友達やからかな。
コイツは照れとるんや。
(たぶん)
「ありがとう。俺の名前は、國木田誉。
よろしくな。」
「八野世菜(ヤノセナ)。…よろしく。」
ボソッと小さな声で、世菜は云った。
それから、俺と世菜は入学式が始まる9時前まで、一緒に校内探検をしながら、話していた。
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