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「成瀬さんっ!!」
走って走って走って
通行人に見られようとも、彼だけを探して
今までこんなに走ったことがないくらい走って
やっと見つけた。
「…はぁ、はぁ…ッ…成瀬さん。」
彼の、後ろ姿を。
ふぅ。
深く深呼吸をして、立ち止まってる背中に言った。
「…ッ…成瀬さん。待ってくださいよ。置いてくなんて、ひどいじゃないですか。」
「…なんで。なんで、来たんですか?」
「成瀬さんの、気持ちを知れたから。」
ゆっくり、ゆっくり近づいて
「俺は、貴方が好きだ。
…誰よりも、成瀬さんが大好きなんです。」
成瀬さんも一緒の気持ちなんでしょう?
その言葉は飲み込んで、後ろから
フワリと優しく抱きしめた。
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