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カウンターに座り、一息。
成瀬さんは、俺の隣に座った。
「じゃあ、今日は何にします?」
「俺は…。あっ、成瀬さんからどうぞ。」
「では、私から。ｱﾙﾃﾞｨﾗをもらえますか。」
「えっ。ｱﾙﾃﾞｨﾗ、ですか?わかりました。」
一瞬、佐々倉さんは驚いていたように見えたけど、すぐにっこり笑って言った。
なんで驚いたんだろう?
少し疑問に思ったけど
ちょうどその時
カクテルを作り始めていたから、そっちに意識をもっていかれた。
す、すごい。
華麗な手捌き、みごとだ。
「……せ、ざ…ん、せり…ざ…さん、芹沢さん!」
「へっ。あっ。す、すいません。どうしたんですか?」
やばい、気づかなかった。
と思い後悔していると、
小声で成瀬さんが
「彼、凄いですね。」
と感心したのか、珍しく目を輝かせて言った。
「はい。俺も見入っちゃいました。だから、今気づかなくて。」
「まぁ、そうだろうと思ってました。有名な方なんですか?」
「さぁ、どうなんでしょう。俺もそういう事についてはよくわからないんです。」
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