もう一つの解放

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赦されたくなかったんだ。 赦されたく…。 罪を背負い、お前に囚われ、繋がっていたかったんだ。 脆弱な自分。 欲深い自分。 タクシーのドアが開き、促されて中に入った。 パタリと静かに閉じた音が、解放の合図。 窓の外を眺め、涙を拭った。 いつの間にか眠っていて、肩を揺すられ目を開けた。 メーターより多く、運転手に金を渡してタクシーを降りた。 狭いエントランスを抜け、階段を上がる。 四階で、立ち止まった。
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