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「危険でス! お下がり下サイ!!」
「っ……!?」
「「ひぃっ!?」」
それにカタコトの女性が叫び、ダークエルフの男はとっさに防ぐ型を取り、男達二人はへたり込む。
ザシュザシュザシュ!!
そんな中、破裂した凶風は辺りを切り裂き、木々や男を傷付ける。
木々は倒れ、ダークエルフの男の身体にも無数の切り傷を付けた。
ヒュオォ………
「はぁっ……はっ……っ……」
やがて完全な凶器であった強風が止み、同時にシズティオラは力尽きたように気を失う。
レックスやウィムルスも気絶していた。
「ちっ……まさかあの餓鬼にこんな力があったなんてな……」
風が止んで暫くした後、ダークエルフの男は舌を打ち、腕や頬から流れ出る血を舐める。
「ご無事ですカ?」
「あぁ……おい、何してやがるこの屑共。 生きてんならこの餓鬼共運べ」
「「は、はいっ!!」」
男達はまた跳ね上がり、レックス達を何処かへ運び出し始めた。
「傷の手当テをしまシょうか?」
「ああ、後から頼む……ったく、傷痕が増えたらどうしてくれんだ」
ダークエルフの男はもう一度舌打つと、その場を女性と共に去って行った。
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