第二章 水の精霊

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「う……ん……」 シズティオラは薄暗い闇の中で意識を取り戻した。 「っ……身体が……」 刹那、ビリビリと痺れるような痛みが走り、微かに顔を歪めながらもシズティオラは起き上がる。 するとジャラリ、と耳障りな金属音がした。 音のした方を見れば、シズティオラの手には手錠で繋がれていた。 「っ……レックス! ウィル! 大丈夫か……!?」 それに一瞬呆然とするが、顔を上げた瞬間、倒れているレックスとウィムルスの姿が目に入り、自身の痛みや混乱も忘れてシズティオラは二人に駆け寄る。 「慌てなくても大丈夫だよ。気を失ってるだけ」 「っ、 誰だ……!?」 不意に後ろから掛けられた声にシズティオラは振り返り、威嚇するように声の主を睨み付けた。 そこには背中まである澄んだ水色の髪に、碧色の瞳を持った美しい少年が座り込んでいた。 年齢はシズティオラ達と同じ程度で、少年は穏やかな笑みを浮かべながらシズティオラを見つめていた。 その手にはシズティオラ同様に手錠がしてあり、自分と同様に男達に囚われた者なのだと言うことが見て取れた。 「僕はルーリエ、君達と同じ様に捕まってしまったんだ。 えっと……だから敵じゃないよ?」 「そう、みたいだな ……ごめん、睨んでしまって……」 「別に良いよ、誰だってこんな所に閉じ込められたら不安になるもの」 バツが悪そうに謝るシズティオラにルーリエは首を振って優しく言う。 「でも驚いたな、精霊だけじゃなくてヒューマンやエルフの子まで此処に連れて来られるとは思わなかったよ。てっきり精霊だけだと思ってたのに」 「お前は……水の精霊、だな?」 「うん、そうだよ。君は風の精霊だよね?」 問い掛けるシズティオラにルーリエは頷き、次はシズティオラに向かってルーリエが問い掛けた。 「あぁ……そう言えば、俺はまだ自己紹介をしていなかったな……俺はシズティオラ。 長いからシズでいい、宜しくな……」 「こちらこそ。 宜しく、シズ」 挨拶を済ませた後、ルーリエはにっこりとシズティオラに微笑んだ。
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