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「うぅ……ん……」
「ぅっ………」
それから暫くして、ウィムルスとレックスも目を覚ました。
「……起きたか」
「痛っつ! ……あ、シズ? ……此処は何処なんだ?」
「何か、凄い痺れる……」
レックスとウィムルスはゆっくり起き上がり、辺りを見回す。
当然の事ながら二人は混乱していた。
そんな二人にルーリエは声を掛けた。
「此処は馬車の中だよ、多分。だって動いてるし」
「そう言われれば確かに……って誰!?」
「もしかして、俺達と同じく捕まったヒト?」
ルーリエの存在にレックスは驚き、ウィムルスは意外と冷静に対処する。
「そうだよ、僕はルーリエ。 水の精霊なんだ」
「あ、そうなのか?俺はレックス・ドラグニエ。 普通にレックスって呼んでくれよ。宜しくな、ルーリエ」
「俺はウィムルス、ウィルで良いよ。 宜しく」
「レックスにウィルだね? 宜しく」
シズティオラ同様にルーリエはレックスとウィムルス達とも挨拶をし、にこにこと笑った。
「……それじゃあ、挨拶もそれぐらいにして……これからどうする?」
挨拶が終わった後、シズティオラが抑揚のない声音で三人に問い掛けた。
「うーん……どうしよっか?」
それにルーリエは首を捻って三人を見回し、レックスが「はい!」と元気良く挙手する。
「手っ取り早く此処を壊して逃げる!」
「それは難しいと思うなぁ……武器も無いし……この手錠のせいで魔法も使えないから……」
その意見にルーリエは苦笑を浮かべたが、当人のレックスはニヤリと笑った。
「ふふふ……手錠なんて壊せば良いんだよ……剛招来! オルァアアアア!!」
そして雄叫びにも似た声を上げ、まずは自分の手錠を破壊し、その勢いで三人の手錠も破壊したのだった。
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