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「なあ、みんな。 この馬車かなり頑丈ではあるけど、この一部分だけは脆くなってるみたいだ」
その時、不意にレックスが動きを止めて三人へ振り返り告げる。
「お、本当?」
「じゃあその脆くなってる部分を集中攻撃すれば……」
「……此処から出られる……か」
「そう言うこと」
シズティオラの言葉を肯定し、レックスはニヤリと笑って見せた。
「ってなわけで、一丁魔法宜しく!」
「りょーかい」
「……あぁ」
「僕も手伝うよ」
ウィムルス、シズティオラ、ルーリエは小さく笑みを浮かべた後、詠唱を始める。
「小さな火種、現れ──ファイアボール!」
「風よ切り裂け──ウィンドカッター」
ルーリエ「岩をも貫く水の弾丸──アクアエッジ!!」
そして三人同時に魔法を放った。
刹那、
「ふぎゃあっ!?」
「へっ!?」
「おっ!?」
「あっ……!?」
「っ………!?」
三人の魔法が扉にぶつかる瞬間、馬車の扉が開き、魔法は扉に当たる代わりに一人の男にぶち当たった。
「な……んだぁ……」
そして男は涙目になりながらパタリと地に倒れ伏す。
「えっ、と……どうする?」
「と、取りあえず……逃げるぞ!!」
「う、うん!ごめんね、見知らない人!!」
「……少しだけ、哀れだな……」
その予想もしていなかった展開に四人は呆然としつつも、急いで馬車から逃げ出だしたのだった。
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