第三章 帝国とシルバーエルフ

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一方その頃……。 「なぁ、これからどうするんだ?」 「俺に訊かないで……」 「……流石に分からない……」 「僕も……その、村から出たことないし……さっぱり……」 当たり前ながら、レックス達は途方に暮れていた。 「俺、エスリアの地理なら分かるけどエジェットの地理は分かんねぇぞ……」 「俺なんか、エスリアのほんの一部分しか知らないよ」 「俺も……ロゼフの森の先にあるメアル村か……エスリアの首都、ガルティヴが限度、だ」 「さっきも言ったけど、僕は自分の村しか知らないし……」 グゥウ~~…… 溜め息混じりにそう言った瞬間、四人のお腹が鳴る。 それにより益々レックス達は項垂れたくなった。 空を見ると、もう日はかなり沈んでいて辺りは暗くなりかけている。 そんな中、レックスはその場に座り込んでポツリと呟く。 「ああ……お袋のご飯が恋しい……」 「あー……美味しいよね、レックスの母さんの料理……」 「……特にオムレツ……」 「あー美味しそうだねぇ……」 グゥウ~……。 そして、そんな会話をしたせいかまたお腹が一斉に鳴った。 「取りあえず……お金持ってる人~……」 レックスは深い溜息を吐き、力無く三人に問い掛ける。 「僕はお金持って無いんだ……ごめん……」 それにルーリエは申し訳なさそうに謝ったが、ウィムルスとシズティオラはポケットをまさぐる。 しかし…… 「あれ……俺、まさか落とした……?」 「? ……俺も、無い……」 「因みに俺もなーい。 確かに持ってた筈なのに無い……」 「もしかしてだけど、あの人達に武器と一緒に取られたのかも……」 全員財布を紛失し、まさかの所持金ゼロ状態だった。
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