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一方その頃……。
「なぁ、これからどうするんだ?」
「俺に訊かないで……」
「……流石に分からない……」
「僕も……その、村から出たことないし……さっぱり……」
当たり前ながら、レックス達は途方に暮れていた。
「俺、エスリアの地理なら分かるけどエジェットの地理は分かんねぇぞ……」
「俺なんか、エスリアのほんの一部分しか知らないよ」
「俺も……ロゼフの森の先にあるメアル村か……エスリアの首都、ガルティヴが限度、だ」
「さっきも言ったけど、僕は自分の村しか知らないし……」
グゥウ~~……
溜め息混じりにそう言った瞬間、四人のお腹が鳴る。
それにより益々レックス達は項垂れたくなった。
空を見ると、もう日はかなり沈んでいて辺りは暗くなりかけている。
そんな中、レックスはその場に座り込んでポツリと呟く。
「ああ……お袋のご飯が恋しい……」
「あー……美味しいよね、レックスの母さんの料理……」
「……特にオムレツ……」
「あー美味しそうだねぇ……」
グゥウ~……。
そして、そんな会話をしたせいかまたお腹が一斉に鳴った。
「取りあえず……お金持ってる人~……」
レックスは深い溜息を吐き、力無く三人に問い掛ける。
「僕はお金持って無いんだ……ごめん……」
それにルーリエは申し訳なさそうに謝ったが、ウィムルスとシズティオラはポケットをまさぐる。
しかし……
「あれ……俺、まさか落とした……?」
「? ……俺も、無い……」
「因みに俺もなーい。 確かに持ってた筈なのに無い……」
「もしかしてだけど、あの人達に武器と一緒に取られたのかも……」
全員財布を紛失し、まさかの所持金ゼロ状態だった。
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