第三章 帝国とシルバーエルフ

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「うぅ~……こんな異国の地で野垂れ死ぬなんて嫌だ……」 「俺だってやだよ……」 「……眠くなってきた……」 「……お金が無いんじゃ、宿にも行けないよね……」 あれから、人通りの少ない裏路地にて四人は座り込んでいた。 「はぁ……何でも良いから食べ物が欲しい……」 「……何をしている?」 途方に暮れながらレックスが呟いた時、ぬぅっと人影が四人を見下ろし、静かに声を掛けた。 「うぉ!?」 「わっ!」 「っ!?」 「ひゃあ!?」 その、些か突然過ぎる出来事に四人はビクッと身体を震わせる。 見ると、そこには黒服に身を包んだ、白い肌と純白に近い白銀の髪を持ったエルフが佇んで居た。 年の頃はまだ二十前半といったような、若い青年だ。 「お前達、こんな所で一体何をしている? もう子供は家に帰る時間だと思うが?」 「あ……俺達、帰れないんです……」 「何?」 ウィムルスの言葉に白銀のエルフは赤にも似た橙色の目を細める。 「……ふむ、何かしら事情があるらしい。 家に来るか?」 そして、暫くレックス達を見つめた後、白銀のエルフはそんな事を提案してきた。 「へ? いや、でも……」 それにレックスは一瞬目を見開いて言葉を濁す。 他の三人も顔を見合わせて困惑した表情を浮かべていた。 刹那、 グゥウウウ~…… まるで四人に「付いて行け」と促すかのように、盛大にお腹が鳴った。 「……〝身体は正直〟とは、よく言ったものだと思わないか?」 「うっ………」 「か、返す言葉がない……」 「……っ」 「え、えっと……」 クスっと笑う白銀のエルフの言葉に、四人は俯いた。
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