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そして四人は………
「もう少しで着くから辛抱してくれ」
……結局、あのエルフに付いて来ていた。
「……結局付いて来ちまってるけど、大丈夫……だよな?」
「……分からない」
「もし彼奴の仲間だったらどうするの……?」
「でも……もう仕方ないよ」
そして、一定の距離を青年と保ちながら、四人は小声でコソコソと話をする。
「それに、悪い人じゃないと僕は思うな……」
「そうかなぁ、俺は怪しいと思うけ……」
「着いたぞ」
「うわぁ……」
「……お化け屋敷……か……?」
エルフの青年の家だという場所を見て四人は思わず唖然とした。
目の前の建物にはお店のような看板が掛けてあり、その看板には【葬儀屋】と書かれていた。
挙句に裏路地の奥にある為か薄暗く、全体的に薄汚れている。
今にも〝何か〟が出てきそうな場所だった。
「……まだ怪しくないって言える? ルーリエ……」
「……でも、人は意外性があったりするし……」
「少し散らかっているが、そこは目を瞑ってくれ」
その建物を見つつ、尚もコソコソと話をするウィムルスとルーリエに気付かずか、あえて気付いていないフリをしているのか、エルフの青年は扉を開けた。
「うっ、わ……!?」
「ぅ………」
「……ねぇ……これでも……」
「ごめん……僕が間違ってたかも知れない……」
中には棺桶が数個と、色々な薬品や試験管、ぱっと見ただけでは人間と見間違えるぐらい精巧に作られた人形が何体も鎮座していた。
この時、四人はこの青年に付いて来た事を心の底から後悔したと言う。
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