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「それで、お前達の名は?」
「俺はレックス・ドラグニエって言うんだ。宜しくな」
「俺はウィムルス、長いから普段はウィルって呼ばれてるけど」
「……シズティオラだ ……シズって呼ばれてる」
「僕はルーリエって言います」
「ふむ……レックスにウィムルス、シズティオラ、ルーリエか……シズティオラとルーリエは精霊だな?」
アティは確かめるように名前を呼んだ後、シズティオラとルーリエを見据えて尋ねた。
それにシズティオラが小さく頷く。
「……ああ」
「……何故、精霊であるお前達が帝国に居る? 帝国に精霊は居ない筈だが……」
「実は僕達、何だかよく分からない人に捕まって、帝国に連れて来られたんです」
「! ……そのよく分からない人物の中に、ダークエルフが居なかったか? 長い黒髪に紫色の目を持った、右頬に傷痕のある……」
「アティは彼奴の事を知ってるのか!?」
どこか食い気味になってルーリエに尋ねるアティに、レックスは思わずと言った様子で勢い良く立ち上がった。
その際、棺桶がガタリと大きめの音を立て、大きく揺れる。
「ああ、知っているが……レックス、あまり棺を揺らさない方が良い。 中の者の眠りを妨げてしまうからな」
それを見たアティは、レックスの問いを肯定すると同時に彼を窘めるようにそんなことを告げた。
「え゛っ!?」
「「!!」」
「………」
刹那、レックスの顔がサーッと青ざめていき、自身が座っていた棺桶を恐る恐る見る。
シズティオラ以外の二人もサッと棺桶から立ち上がって自身が座っていたそれを見つめた。
「まさか……中身……入って……?」
蒼白な顔で怖々とレックスが呟いた瞬間、ガタガタと棺桶が独りでに揺れる。
「「ヒッ………」」
「きゃあああああああ!!?」
瞬間、レックスやウィルよりも早く、そして大きな悲鳴をルーリエが上げた。
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