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「「わぁああああああっ!!?」」
それにつられてレックスとウィルも悲鳴を上げる。
「面白い反応だな」
そんな反応の良い三人を見て、アティはクスクスとそれはそれは楽しそうに笑った。
「……どういう仕掛けだ?」
「魔術で少し、な」
「……結局、中身は入ってるのか?」
「ここ最近は中を確認していなかったから確実ではないが、全て空だった筈だ……多分な」
「……断定は出来ないと?」
「仕事上、もしかすると入れたまま放置と言うことがあったりするかもしれない……今まで一度もそんな事はなかったが……もしかしたら……」
「……」
一応、立っておこう……。
アティの言葉を聞いた後、シズティオラは静かに立ち上がった。
それを見てアティは未だ笑いながら告げる。
「嘘だ、お前まで真に受けるな」
「…………」
「本当に嘘なのか!?」
「実は本当だけど、面倒だから嘘って言ってる訳じゃないよね!?」
物凄い剣幕で問い質すレックスやウィムルスに、アティは「悪ふざけが過ぎたみたいだな」と苦笑する。
「本当に何も入っていないから、安心してくれ」
「うぅ……こ、怖いよぉ……」
「……ルーリエ、腕が痛い……」
ルーリエに至っては、いつの間にかシズティオラにしがみついて怯えていた。
「る、ルーリエって怖いもの駄目なのか? さっき女みたいな声上げてたし……」
「女みたいな声って……僕は女だよ……?」
その様子を見て尋ねるレックスに、ルーリエはシズティオラにしがみついたまま、弱々しく反論する。
刹那、
「「ええええええええっ!!?」」
レックスとウィムルスは、先程とはまた違った意味で驚きの声を張り上げた。
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