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あれから村を出た三人は、村の近くにあるロゼフの森の奥地へ来ていた。
「それで、ロゼフの森で何するのさ?」
「湖に行くんだよ」
「湖……?何でそんな場所に……?」
「お、気になる?」
「そりゃまあね」
「さっさと勿体ぶらず言え」
ニンマリと笑いいながら尋ねるレックスにウィムルスは頷き、シズティオラは些か乱暴に促した。
「シズ、言い方乱暴だぞー?」
「……ごめん」
「あ、いや、まあ良いんだけど」
「シズってキツい物言いの割には素直に謝るよね」
軽く揶揄っただけであろうレックスと、割とガチ凹みで謝罪するシズティオラのやり取りにウィムルスは苦笑する。
対し、シズディオラは視線を落として小さく言葉を落とした。
「……一応、悪癖だって事は自覚してる……」
「あ、そうなんだ?」
ポツリと呟かれたそれに、ウィムルスは意外そうに聞き返す。
「ああ」
「ふぅん……?それで、結局何しに行くの? レックス」
その後、ウィムルスはレックスの方を向いて話を元に戻す。
それにレックスは待ってました、と言わんばかりに口を開いた。
「妖精(エレメル)を見に行くんだよ」
「妖精を?」
「妖精って普通、肉眼じゃ見えないんじゃないっけ? たまに見える場所があるって聞いた事はあるけど、まさかロゼフの森の湖で見えるなんて……本当なの?」
「嘘だと思うだろ? けど、その妖精が見れたんだよなぁ、この森の湖で」
俄に信じられないと首を傾げる二人にレックスが得意げに笑う。
「……幻や妄想や夢じゃなくて、か?」
「本当だっての!」
「まあまあ、嘘か本当かなんてもうすぐ分かるよ」
「本当だって言ってんだろ!!」
しかし、明らかにレックスの言葉を信用していない二人。
そんな二人に、レックスは力一杯声を張り上げて抗議するのだった。
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