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「嘘?!だって前の章の描写で少年って書かれてたじゃん!?」
「そんな事言われたって……僕が女だって事は変わらないし……」
「うわ……ある意味、一番びっくりした……」
「……どうせ僕は男っぽいよ……」
ウィムルスとレックスの失礼極まりない言葉に、ルーリエはプイっと拗ねたように顔を逸らす。
「あ……ご、ごめん……その、つい………」
「ご、ごめん……流石に失礼だった……」
「別に」
「……そう拗ねなくても……」
「シズだって、どうせ僕の事を男だと思ってたんでしょ?」
「……最初は……」
「……馬鹿シズ」
「……そこまで言うか……?」
「本当に仲が良いな、お前達は」
そんな傍から見れば痴話喧嘩のような取りを見て、アティは微笑ましげに笑いながら呟いた。
「からかわないでよ! ……それで、アティさんはそのダークエルフの何を知ってるの?」
からかわれて気が立ったルーリエは、無意識の内にアティへの敬語をなくして怒声を張り上げた後、話を元に戻す。
それにアティはつい先程までの笑みを消し、途端に真面目な顔になると小さく頷いた。
「あぁ、そうだな。ふざける前にその話をすべきだった……そのダークエルフは、私の知り合いだ。 私は昔、そいつの仲間だったから……」
「えっ!?」
「……〝昔は〟ってことは……今は仲間じゃないのか?」
「あぁ、今は違う」
シズティオラの確認するような問い掛けに、アティはもう一度頷いて肯定する。
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