第三章 帝国とシルバーエルフ

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「嘘?!だって前の章の描写で少年って書かれてたじゃん!?」 「そんな事言われたって……僕が女だって事は変わらないし……」 「うわ……ある意味、一番びっくりした……」 「……どうせ僕は男っぽいよ……」 ウィムルスとレックスの失礼極まりない言葉に、ルーリエはプイっと拗ねたように顔を逸らす。 「あ……ご、ごめん……その、つい………」 「ご、ごめん……流石に失礼だった……」 「別に」 「……そう拗ねなくても……」 「シズだって、どうせ僕の事を男だと思ってたんでしょ?」 「……最初は……」 「……馬鹿シズ」 「……そこまで言うか……?」 「本当に仲が良いな、お前達は」 そんな傍から見れば痴話喧嘩のような取りを見て、アティは微笑ましげに笑いながら呟いた。 「からかわないでよ! ……それで、アティさんはそのダークエルフの何を知ってるの?」 からかわれて気が立ったルーリエは、無意識の内にアティへの敬語をなくして怒声を張り上げた後、話を元に戻す。 それにアティはつい先程までの笑みを消し、途端に真面目な顔になると小さく頷いた。 「あぁ、そうだな。ふざける前にその話をすべきだった……そのダークエルフは、私の知り合いだ。 私は昔、そいつの仲間だったから……」 「えっ!?」 「……〝昔は〟ってことは……今は仲間じゃないのか?」 「あぁ、今は違う」 シズティオラの確認するような問い掛けに、アティはもう一度頷いて肯定する。
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