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「でも、昔仲間だったんなら、彼奴等が一体何なのかは分かるよな?」
「あぁ……彼奴等は……【ルーイン】と言う組織で【精霊狩り】を行っている輩だ」
レックスの問いに暫く口を閉ざした後、アティはゆっくりと言葉を紡ぎ出していく。
「……【精霊狩り】?」
「【精霊狩り】とは、精霊を捕らえてエネルギーにすることを差す言葉だ」
「はぁっ!?」
「ふざけてんのか!?」
「……だから、彼奴は俺を……資源と呼んだのか……」
「…………」
思いもよらなかった言葉の意味にレックスとウィムルスが語気を荒らげる中、シズティオラは冷静にダークエルフの男の言葉を思い返す。
ルーリエも同じような事を言われたのか、黙り込んで俯いた。
「あんた仮にもエルフだろ!? 精霊がどれだけ世界の重鎮か分かってんの?! 大体そんな事続けたら精霊と俺達とで全面戦争が起きるかもしれないじゃん!!」
「あぁ……分かっている。 分かっているから……私は組織を抜けたんだ」
「組織を辞めたからってそれが何!? こんな所で隠居してても、ただ単にそいつら野放しにしてるだけじゃんか!! せめて国に伝えるとか……!」
「無駄だ、リーナスやエスリアの者達は、私のような者の話等、聴かないだろう。 それに、たとえ聴いたところで恐らくどうにもならん」
「どうにもならないって、どういう事だ?」
諦めきった表情で首を振るアティに、レックスが問う。
「……その【精霊狩り】には、帝国自体が絡んでいるんだ」
「はああああああっ!!?」
「国絡みぃ!?」
「そんな……」
その、四人の予想を遥かに上回っていた事態にウィムルス、レックスは何度目か分からない声を張り上げ、ルーリエは絶句した。
そんな中、シズティオラは比較的冷静にアティに問い掛ける。
「……一体、何故そんな事に?」
「此処帝国は、極端に自然が枯渇している。 それは帝国の人々が自身の都合で自然を開拓したからだ……言わば自業自得だが、それが原因である問題が起きた」
「問題?」
「あぁ、開拓を進めに進めた結果、国を維持する為のエネルギーが足りなくなっていったんだ」
首を傾げるルーリエに軽く頷いてアティは答えた。
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