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「ところでお前達、明日からどうするつもりだ?」
「あ……えっと、エスリアにある自分達の故郷に帰ろうとは思ってるけど……」
アティの今更感のある問いに、ルーリエは口篭りながら答える。
勿論、他の三人も同じ気持ちだった。
しかし、それに対してアティは少し難しそうな表情を浮かべ、一言。
「……エジェットの土地勘があるのか?」
「うっ……」
「そ、それは……」
「……保々、全く……無い……」
その一言に、当然ながらレックス達は言葉を詰まらせて俯いた。
それを見てアティは軽く息を吐き、微苦笑を浮かべる。
「……それでは、私も共に行こう」
「は!? で、でもアティ仕事は!?」
そのまさかの申し出にレックスは慌てて問い掛けたが、アティは思いの外平然と「大丈夫だ」と言い切った。
「さっきも言ったが、こんなボロ葬儀屋に客なんて滅多に来るものじゃない。別に構わないさ」
「……本当に良いわけ?」
「ああ」
ウィムルスの確認するような問いにも、アティは平然と頷く。
その目に迷いはなかった。
「う~……ん……じゃあ、お願いしようぜ。 俺達だけで解決出来る問題じゃないのは確かだし……」
「……武器もお金も無いし、な」
「そうだね」
「じゃあ、その……明日から宜しく」
「ああ」
こうしてもう一度頭を下げる四人に、アティは微笑んで軽く頷き返すのだった。
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