第三章 帝国とシルバーエルフ

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その時……。 「おい、アンダーテイカー!居るか?」 ドンドンっと乱暴に葬儀屋の扉が叩かれると共に、聞き覚えのある男の声がした。 「! この声……!」 「っ、間違いない……」 「あのダークエルフ……!?」 「どうして……?!」 その声により、一気に四人の身体に緊張が走る。 「まさか、彼奴が此処へ来るとはな……少々手荒だが、赦せ」 アティも声を潜め、呟くようにそう言うと同時にパチンと指を鳴らした。 刹那、ギギィイ……と鈍い音を立てながら独り手に棺桶が開く。 そしてビュッと空を切り、棺桶から伸びてきた鎖がレックス、ウィムルス、シズティオラ、ルーリエの四人に巻き付いた。 「きゃぁあああっ!?」 「うわっ!? ……ア……アティッ……!?」 「なっ、何……!?」 「アティ、一体何をっ……!?」 その予想だにしなかった事態に四人は悲鳴を上げ、戸惑いの目をアティに向ける。 しかしアティは何も言わず、棺桶は無情にもバタンッ、とけたたましい音を立てて閉まった。 それと保々同時に…… 「おい! 居るんだったら返事ぐらいしろ!!」 右頬に大きな傷痕を持つダークエルフの男──シグルが中へと入って来る。 「あぁ、何だ……シグルだったのか。済まない、また子供の悪戯か何かかと思った」 そして明らかに苛ついているシグルに、アティは平然とうそぶき、悪びれる様子もなく口先だけの謝罪を述べた。
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