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眞田羅華警察署内に存在する特別部署は今日も賑やかである。
「もう!勝手に経費を使ってプラモデル買って来ないで下さい!」
「いいじゃない。使い道がなく途方に暮れているこの資金を俺が感謝を込めて使っているんだぞ。」
そう返事をしながらプラモデルを組み立てているこの男こそ、特別部署に所属する警部「茂木雄介」である。
無精髭をはやし髪はボサボサで、スーツを着崩している。ヘビースモーカーな彼の口元には愛用の煙草がくわえられれている。
「あーもう…!」と青筋をこめかみに浮かばせているのは彼の助手の「石鍋美奈」だ。
髪は肩よりやや長めで、前髪はヘアピンでまとめている。Vネックのシャツにジーンズを合わせたラフな格好だ。
「何が感謝を込めですか。…言っておきますけど警部アナタのお給料から今まで使った分ガッツリ引かれていますよ。」
「マジで?」
「マジです。」
茂木雄介の現在の給料状況を見せつければ、少しは無駄遣いも収まるだろうと考えていた石鍋美奈だっが、残酷な知らせも彼のまえではあまり効果がないようだった。
「…余り驚いていませんね…警部。」
現在の給料状況を聞いても何食わぬ顔で再びプラモデルを組み立てている茂木雄介は「だってさぁ」と口を開いた。
「此処、俺ん家だよ?」
「部署を自分の家にしないで下さい!」
間髪入れずに石鍋美奈は反論した。
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