0人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日は……桜、元気…」
自分が誰だかわからない。
どうしてここにいるのかも…。
ただ、何故かここにこなきゃいけない気がした。
『桜が元気ってどうしてわかるの?』
声がするほうに向きを変えると、そこには綺麗な蒼の瞳の…
私と同い年くらいの男の人がいた。
「わからない。なんとなく…。
前見た時は悲しそうだったから。」
『前って…。よくこの公園くるの?』
「ううん。ただ、うっすら記憶にあるだけ。」
『…変わってるね。』
……変わってる。
私は変わってる。
考えてみればたしかな記憶がない。
他人の事はおろか、
自分のことですら。
『俺学校いかなきゃ。また、ね。』
「さようなら。」
ズキッ
な、に……頭が痛い。
それに何故か哀しい…。
行かないでって頭の中で何かか叫んで…………
その瞬間、わたしの思考は止まった。
消えてゆく花火のようにゆっくりと闇に落ちていった。
最初のコメントを投稿しよう!