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「ははは…来て速攻寝ちゃった。心配しなくても大丈夫ですよ山口さん。輝のやつ、眠りたいだけですから。」
朗らかに笑いながら輝の前に座るものだから、小百合は頬をプクッとさせたが、くるみのことは好きなのでニコッと笑いながら優真の横に座った。
くるみは小百合が席についたのを見計らって、持っていた何冊かの本の中から一冊を小百合の前に出す。
「これ、この前小百合さんが気になっていた本ですわ。
図書館になくて、司書の楓にお願いして世界中探して見つけてもらって、ようやく今日入ったみたいですの。
…入手困難で驚きましたわ。」
「うわぁっ!さすが楓さんっ。
いいお仕事されてるー!
くるみさんもありがとうございます…昔私の家にあったんですが、そんな入手困難だとは思ってませんでした。」
目の前に出されたのは、絶版されたであろう古く渋いえんじいろした皮の本。
所々文字が消えかかってはいるが、英語であることはわかる。
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