先輩と後輩

5/7

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「俺、眠り妨げられるの嫌いだって言ったでしょ?」 輝は振り返り、冷たい瞳で一言ばさりと言いきる。 それに臆せず、 キラキラした顔で小百合は答えた。 「そのセリフ、この二週間での記念すべき30回目です!」 輝と優真の動作が止まった。 「あ、「つきまとわないでくれる?」はあと3回で40回です!」 輝と優真の反応なんてなんのその。小百合ワールドは展開された。 「…小百合ちゃんってなんかズレてるよね。 しかも1日平均6回も言われてるのにへこたれない辺り僕、尊敬する…。」 「……。」 輝は無言で踵を返し、二人を置いてふかふかな芝生の上を歩き出した。 もちろん金魚のふんのごとく二人はついていくが。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加