1人が本棚に入れています
本棚に追加
……ちゃん
…っちゃん
みっちゃん!!
目が覚めると私の前には人間の女の顔があった。
いや、正確に言うと女の子の顔だ。
まだ幼な過ぎる女の子はとても心配そうに見えた。
「みっちゃん。大丈夫? こんなところで寝てたら風邪引くよ」
やはり私はみっちゃんであるらしい。
身体は人間だが心は誇り高き魔族。
いずれは人間共に復讐を…
「みっちゃんってば!!」
「あー うるさい。せっかく人が新たな目標に向かって頑張ろうとしとる時に騒ぐんじゃない!」
私は目の前で騒いでいた女の子に怒鳴り返した。
「みっちゃん?」
「私はみっちゃんではない。魔王だ」
「マオー???」
女の子の頭の上にクエスチョンマークが3つほど浮かんでいる気がする。
「あっ マモー!!」
「違う!! 魔王だ」
このまま否定しなければ、私はマモーになってしまう気がする。
あんな皺くちゃチビはゴメンだ。
「私はみっちゃんにマモーより、王子様になって欲しいなぁ」
どうやら私はマモーになってしまったようだ。
最初のコメントを投稿しよう!