魔王 究極の選択

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「ふむ、王子か……」 私の時代にいた人間の王子は民草の事情を知らず遊びまくっていたデブ王子だ。 ヤツは民が飢えで苦しむ間、アニソンを歌いながらケーキとポテチを食って暮らしたという。 「誰があんな外道と同じになるものか!!」 「じゃあ、マモーがいいの?」 「……………」 どっちも嫌ぁぁ!! なんだ? この究極の2択は? マモー×デブ王子 いや、×ってなんだよ!! お前らは何してんだよ!! つか、何で選択肢がコイツらなんだよ!! 「ってか、俺がツッコミなのかよ!!」 「みっちゃん… 本当に大丈夫? なんかいつもよりアホっぽいよ?」 あほ? 今、この小娘は私に向かってアホと言ったか? 地獄では千の魔物を従え、天界でさえ私の名を口にする者はおらず、人間界ではまだ何もしてないが、この私をアホ呼ばわりするなど…… 「おい小娘、どうやら貴様には少しばかり礼儀というものを教えなければならんな」 「小娘でも、貴様でもないよ。私には みづき さくって名前があるんだから!!」 ふっと背を伸ばす女の子。 若干、私よりも背が高い。 だが、所詮人間の女。それもまだ子供。私がいくらこの弱い身体にいようと負けるはずがない。
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