魔王降臨す

2/7
前へ
/23ページ
次へ
「くっ 痛っ…。何だ。何が起こった?」 私は痛む身体を道路からむくりと起き上がらせた。 ん? 痛む身体だと? 私には身体はなかった。いくら、強靭な私の身体でも既に朽ちてしまったはずだ。 自分の手の平を見てみる。 「身体があるだと?」 私の身体はどうやら人間のもののようだが、使えるならばなんでもよい。 自分の身体で大地を、風を、痛みを感じる。 なんと? ここまで私は幸運だったとは… 「また暗黒世界の未来が早まってしまったな。 フハハハ」 「大丈夫か? 坊主」 道の先にある『大きな箱』から人間が出てきた。 「ちょうどいい。私の復活の記念に死をくれてやろう」 『大きな箱』から出てきた人間の男は私の前までやって来た。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加