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「おう、みっちゃん。 野球やろうぜ!」
いきなり背後から肩を捕まれ私はびくっと体を震わせた。
振り返ると少年と言うより、男の子と呼ぶのが相応しいくらいの人間のガキが私の肩に手を置いていた。
問題はそれだけではない。
私の目線がこのガキよりもわずかに下なのである。
わ 私が小さいだと…
私が手に入れたこの身体はミニマムだったのか……
「これから空き地で野球するんだけど、みっちゃんもやろうぜ!」
よく見るとこのガキの後ろにうようよとガキが群がっている。
「私はみっちゃんではない。 私は魔王だ。気安く話しかけるな」
「何っ? お前、魔王だったのか?」
そう、私は魔王。
見た目は子供。頭脳は魔王。
その名もマオーだ。
マモーじゃないぞ。マオーだ。
カタカナで書くとわかりにくいから注意しておけよ。
話しかけてきたガキが一歩後ずさる。
そうだ恐怖するがいい。人間のガキなどほんの小指程度であしらってくれよう。
「さぁ、今の内に名乗るがよい。気が向いたら覚えて置いてやろう」
復活してから記念すべき一人目だ。
さて、このガキをどうしてくれようか?
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