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いっちゃんはそんな私を黙って公園のベンチに座らせてくれたな。
「………大丈夫か?」
「…」
「…ホントごめん。」
「なんでいっちゃんが謝るの?」
「だって俺があの時いなくなったりしな「もういいよ。」
でもユウが言った『いつきはあたしのものなの!』が頭に引っ付いちゃって、離れなくって。
……いっちゃんは物じゃないのに。
「なぁ、ユキ。」
「なに?」
「空見てみ。」
私が見た空は、茜色に染まっていて飛行機が飛んでるけど飛行機雲は無くて、それが無償に切なかった。
……前みたいには、もどれないんだよね。
私が知らないうちにいっちゃんは凄く遠い存在になってしまった。
「…もう行くか。」
「……うん。」
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