避ける眼差し

7/10
32人が本棚に入れています
本棚に追加
/171ページ
「私はね、自分がクビになるのはどうでもいいのよ。ただ、悪くない人が怖かったり痛かったりするのは大キライ。友達ズラして平気で酷い事するのは許さない。」 くるみの風貌に似合わない、低いドスの効いた声だけが廊下に響いた。 怯えた大柄な少年の腕を放し、 「…クビだね…」と言った少年に視線を向けて睨みつけた。 睨みつけた瞬間、 少年がニヤリと笑った。 くるみの中で何かが切れた。 自分が仕事中なのを忘れた。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!