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ノジア暦575年。
一人の男の最後が見送られることとなった。
ガードナー国ノース地方軍レイド隊少佐、ヴァル・N・ティオクソン。
敵地偵察の任務中、背後からの攻撃により殉職。
その傷跡は大きく、胸部の空洞による凹みは、装束でも隠せないほどだった。
葬儀に参列した者は少なく、ヴァル直属の上司数名と妻子のみ。
静粛なる葬儀だった。
「父さん!!」
葬儀の静寂を断ち切るかのように、13歳の息子が大声を上げ泣いた。
その様子を見ていた妻はこれまでの冷静さを失い、息子にすがりつき泣いた。とても静かな、しかし大きな葬儀が行われていた。
物語はこの5年後。
葬儀場と同じ場所から始まる。
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