夢見月

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    明くる日 目覚めるとまだ坂口先輩は眠ったままだった   今は坂口先輩に使って貰っている客室の扉をそっと閉める   ダイニングキッチンから養母のいつもの鼻歌が聞こえドアを開けると満面の笑みで振り返った   『おはよう…あら陣君はまだ?』   『うん 昨夜遅かったから』   よっぽど坂口先輩が気に入ってるのだろう 養母は少女の様に残念がった   『前から行ってたけど今日からお父さんと台湾旅行に行くからね留守頼んだわよ』   養父母は年に一度二人っきりで旅行する   僕も誘われるがツキヨミ統主になってからは何かしら理由をつけて断っていた   僕が年頃だからと…養父母も強制はしないし二人だけの時間を楽しんでる様だった   『うんお土産頼むね』   『もちろん 陣君にも買ってくるわね』   優しい養父母   この家を坂口先輩と出ていくと言ったら悲しむだろうか…  
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