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妖気さえも使えなかったらしい坂口先輩の姿のギンロウは凝視していた手の平を ゆっくりと握り締めた
『ミツキっギンロウに離すように言ってくれよっ』
首根っこを捕まれ身動きの取れないゴンは僕に助けを求めジタバタし
『ミツキ…どうなってるんだ』
坂口先輩の姿のギンロウもまた僕に救いの眼差しを向けた
大きく深呼吸して心を静める
僕がしっかりしなきゃ…
『とりあえず場所を移動しよう ゴンは今日は帰りなさい』
ゴンは幼いながらも何か様子が変だと気付いく…それが自分のせいだと思ったらしく しおらしく落ち込む表情を見せた
『ゴンまた夜にツキヨミ本部に来ていいから たくさん油揚げ用意しておくよ』
優しくゴンの頭を撫でてやるとゴンは嬉しそうに笑って頷く
ゴンのせいじゃない
きっとこれは僕のせい
混乱する坂口先輩とギンロウの人格が今何かが変わろうとしていた
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