ムーンライト

夢見月

『…蒼井？』

僕はしがみつく腕を緩めて不安がる坂口先輩を見つめた

涙で霞む坂口先輩の顔

『好き過ぎて…』

『え？』

泣きすぎて声が上手く出せない

『坂口先輩が…好きで…好き過ぎて…胸が…痛いです』

『…蒼井…』

坂口先輩は少しビックリして…そして照れた風に微笑んだ

頬を包み込む様に坂口先輩の両手が触れ額と額をくっつけた

『ボクも蒼井が好きだよ…胸が苦しいくらいに蒼井が愛しい』

『先輩…』

互いに求めあう様にして唇が触れあった

暖かな唇の体温を確かめるように唇の形に添うように触れ合わせる

重なりあう唇がより深く繋がりを求める