皆既月蝕

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  『………』   頭の中がぼーっとする   何だっけ   僕は何をしていたのだろう   思考が酷くゆっくりと動く   『どうだ気分は?』   『………』   誰だっけ?   目の前の大きな青い人   人?違う…額に二本の角   とても 胸が熱くなる   僕は そっと手を伸ばして青い顔の頬に触れてみた   『ミツキ…我が誰か分かるか?』   触れた僕の手に重ねるように大きな手が包み込む   手の甲は毛深く爪が尖ってる   『雷…鬼……僕の大切な人』   頭で考えなくとも口が勝手にしゃべる   そうか   この目の前に居るのは僕の大切な人なのだ?   僕の答えが正解だというように雷鬼はニヤリと笑った  
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