皆既月蝕

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よく分からないが すりきれた手首が…足首がヒリヒリと痛む   『痛いか?薬を塗ってやろう』   雷鬼は僕の身体を軽々と抱き上げた   冷たい石畳から 解放された事にホッとする   雷鬼はニヤニヤ僕を見つめながら暗い部屋から連れ出してくれた   雷鬼は僕を助けに来てくれたのだろうか?   何故 僕はこんな牢屋に入れられたのだろう?   何もかも思い出せない   牢屋を出ると長い長い廊下があり暖かな暖炉のある部屋に着く   大きな虎の毛皮が敷かれた床に下ろされ雷鬼は僕の手首や足首に何か分からない薬を塗ってくれる   凄い…痛みがスーッと消えてく   雷鬼の部下が暖かな食事や飲み物を持って次々と目の前に並べた   『腹が減ったろ?たくさん食え』   雷鬼は何でも僕の事を知ってるんだな そういえば とてもお腹が空いていた   僕は目の前の食事に手をつける   雷鬼は酒を飲みながら僕が食事するのを見ていた   雷鬼は食べないのかな?   こんなに美味しいのに  
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