カイの憂鬱

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くそっ苛々する   『カイっ待てよっ!』   カラス族との合流地点までオレはケイを見向きもせずに木から木へ飛びうつる   オレ達の武器でもある跳躍力…同じ双子でも能力は僅かにオレの方が上   勉強だって   スポーツだって   オレの方が僅かに上回ってるのに…ケイに合わせるようにして業と力加減してきた   なのに周りは何故かケイを頼る   何故かケイの方が好かれる   同じ双子なのに   ケイの声が背後から消え ほっとする   『!!』   輝く満月の光が何かの影となってオレは咄嗟に足を止め見上げた   バサッ!バサッ!   漆黒の翼!!   『カラス天狗…』   カラス天狗は頭上にオレを見下ろす様に飛んでいた   そして ゆっくりと優雅に漆黒の翼を広げながら舞い降りる   何故だかケイの言った言葉を思い出す   カラス天狗は綺麗だと誉めたケイの言葉   まるで天使を見ている様だ…   満月の闇夜に舞い降りる漆黒の翼を持つ天使  
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