カイの憂鬱

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カラス天狗は そんなオレを黙って見つめながら粥のおかわりを容れたり お茶を入れた   食事を終えるとオレは今があの日から2日経った昼間だと知らされる   『何度か統主やケイ様も おみえに来られたのですよ しかし今はスーパームーンが近い事もあり皆様大変な時期ですので…』   ケイがオレの分の仕事をモデルとツキヨミの仕事をこなしてると言う   『早く治さなきゃな…』   ケイに負担をかけてしまうなんて情けねぇ   『包帯を取り換えますね』   カラス天狗はオレの呟きに触れる事なく手慣れた風にオレの包帯をほどいた   傷口は思った以上に綺麗に腫れが引いている   しかしまだ毒気が残っているのか紫色に内出血してる様になっていた   『もう一晩位で綺麗に治りますから』   カラス天狗に何かの薬を塗られ再び綺麗に包帯を巻かれていく   器用だな…カラス族の長なのに   こんなの部下に任せたらいいのに   オレは 倒れる前にカラス天狗が言った オレを見てた…という言葉を思い出す   あれは…どういう意味だろう   今までまともにカラス天狗と話した記憶はない   カラス天狗はいつも統主ベッタリで…ギンロウが居ない今 統主の烙印の相手はカラス天狗じゃないかと言われてる位 統主を慕っている   あれは…言うことを聞かないオレに対するお世辞のつもりだろうか?   あり得るなアヤカシは人を惑わすのが得意な生き物   妖艶な姿形に騙される所だった  
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