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『カ…イっ カイっ起きろっ!!』
聞き慣れた声で目がハッと覚める
目の前に居るケイを見て もう夜が明けたと知らされた
気だるい身体を起こすと自然とカラス天狗の姿を探してしまう
『カイ 災難だったな傷の事 何でオレに黙ってたんだ?』
ケイが文句を言うのをオレは聞き流した
『カラス天狗は?』
『やすんでるよ…三日三晩 寝ずにお前に着きっきりだったからな 大ガラスが無理矢理引き離したんだ…今夜はスーパームーンだしな』
寝ずに…マジかよ
全然気付かなかった
アイツ何も言わなかったし
『もう傷治ったんだろ?今日の撮影カイが居ないと どうしても駄目みたいなんだ いけるか?』
『ああ分かった…』
オレは軽くなった身体を起こし立ち上がる
着物を脱ぐと傷口が嘘みたいに治っているのを目にした
まるで最初っから何もなかったように傷ひとつ残ってなかったんだ
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