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お茶の湯気や香りが部屋を包む
今日のお茶も旨い
カラス天狗と黙って茶を啜るなんて日が来るなんて思ってもなかった
今は茶飲み友達の様なオレ達の関係
ギンロウが統主の烙印を印されカラス天狗はツキヨミに足を運ぶ事が少なくなった
『なぁ…お前良かったのかよ』
オレは ずっと聞けなかった質問をした
気になるもんは気になる
何が?とカラス天狗の瞳は聞き返す
『烙印 お前 統主に烙印押して貰いたかったんじゃねぇの?』
カラス天狗は お茶をゆっくりと机に置いた
『それは統主が決めるべき事…ミツキ様がギンロウを選ぶ事は最初っから分かっていましたから』
カラス天狗は平然と言った
強がりか?
『だから それでいいのかよ?お前だって統主に尽くしてるじゃん 自分の方が相応しいとか思うだろう!』
しまった…ついつい声を荒げてしまう
『やっぱりカイさんは お優しいんですね』
カラス天狗は手のひらに包んだお茶をみつめる
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