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『話をすり替えるな』
オレは真面目に聞いてるんだ
カラス天狗の本音がしりたい
烙印に執着はないのか
もし本気でカラス天狗が烙印を望んでいるなら何年かけても…ツキヨミ本部を敵にまわしても…ギンロウを引き摺り下ろしても叶えてやりたい
オレは そこまで考え始めていた
『カイさん アタクシの事より …』
『真面目に聞けよっ』
オレはカラス天狗にの手首を掴む
ギクリとするほど細い手首…直ぐに手のチカラを緩める
『頼むから…お前にはデカイ借りがある 返せるものなら返したい…お前が望む事を言ってくれ』
オレの気持ちを知って欲しい
真っ直ぐ見据えるカラス天狗はオレの視線に戸惑いながらも反らす事をしない
時間が止まった様に見つめあった
オレは今…カラス天狗の妖力に惑わされているのかもしれない
もっと触れたい
掴んだ細い手首を緩め滑らすように手のひらを合わせ指を絡め繋いだ
カラス天狗は握り返してくれる
もう妖力のせいでも構わない
黒くサラサラの長い髪…
ずっと触れたいと思っていた
繋いでいない手を伸ばす
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