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思った以上の指ざわり零れ落ちる様に指の間をスルスルと通り抜け 何度もその感触を確かめた
じっとカラス天狗はオレを見つめたまま その行為を受け止める
もっと…
もっと触れたい
繋いだ手にチカラが籠る
髪を滑らせた手を後頭部に回しオレは顔をゆっくりと近づける
カラス天狗の長い睫毛が静かに閉じられ…
『ご主人様ぁ!!ツキヨミ統主がおみえになりましたぁ!』
大ガラスのザラついた大声にオレ達はギクリと動きを止めた
『ちっ……』
思わぬ邪魔が入りオレは舌打ちする
互いに気まずく身体を離す
まさか統主が来るとは思わなかった
カラス天狗何も言わなかったし
何で そんな肝心な事を黙ってるんだ
せっかくのチャンスを逃しオレはギンロウを共に引き連れて入ってきた統主を思わず睨み付けてしまった
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