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『カラス天狗が油揚げでいいって言ってるんだから油揚げでいいんじゃないですか?』
オレは苛々して横から口を出した
『カラス天狗だって分からない事もあるんだし…わざわざ統主が出向いてまでカラス天狗に相談に来る事じゃないでしょ?』
それに反応したのはカラス天狗だった
『カイさん…言い過ぎです 狐族は私の縄張りの問題です ミツキ様が自ら相談に来られるほどアヤカシの事を考えて下さる それだけの心遣いはなかなかできません…私は素晴らしい統主だと思いますよ』
口調は穏やかで優しいがオレを否定したカラス天狗
やはり統主の方が大切なのだと思い知らされた
『………そうかよっじゃあずっと統主と出産祝いでも何でも仲良く一緒に考えてろっ!』
オレは部屋を飛び出した
何だよ
結局カラス天狗は八方美人なだけじゃないか
誰にでも優しい
オレがカラス天狗の特別な存在になんてなれやしないんだ
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