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オレは猟師が仕留めた獲物に気をそらしている間に そっと その場を後にする事にした
『デカイ カラスを仕留めたぞぉ剥製にすれば 何処かの博物館にでも売れる』
デカいカラス
嫌な予感が走る
いや…でもカラス天狗ともあろうが人間に撃たれるか?
しかし猟師は確かにカラスと言った
オレは犬の方角に急いだ
犬が吠えてる
近い!
その時ドサリと目の前に黒い塊が落ちてきた
『大ガラス!!』
直ぐに大ガラスと分かった
大ガラスは地面に倒れ僅かに痙攣している
『なんて…なんて事だ…』
明らかな瀕死な状態の大ガラスにそっと触れるとベトッとした湿り気を感じた
『………』
手のひらを確認すると血がついてる
『お…大ガラ…ス?』
僅かに開いたクチバシが何かを訴える様に動く
『な…何だ?…どうした?』
上手く聞き取れない
いや…声になっていない
こんな重体はオレのツキヨミのチカラでもどうしようも出来ない
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