カイの憂鬱Ⅱ

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『!!』   近い…犬がこちらに向かってくる   『大ガラスしっかりしろっ今カラス天狗の元に連れていってやる!』   ビビってる場合じゃないオレは血まみれの大ガラスを抱えた   『ちくしょう…ちくしょ…畜生!!!』   グッタリする大ガラス   頼むから耐えてくれ   死なないでくれ   オレは木から木へ飛んだ   必ず生きて大ガラスを届ける   カラス天狗の薬ならきっと治る   大ガラスは絶対に助かるんだ!!                 しかし 間に合わなかった     大ガラスはオレの腕の中で静かに息を引き取っていたんだ     オレがもっと早く大ガラスを見つけていれば     オレにもっと早く飛べるチカラがあれば     オレにもっと統主の様なチカラがあれば   そう思わずにいられなかった  
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