カイの憂鬱Ⅱ

17/33

1358人が本棚に入れています
本棚に追加
/742ページ
左頬がジンジンと傷んだ   耳もキーンとする   オレは視線を上げる   もう一度パチンッと左頬を打たれた   『ケイ?』   左頬が熱い…ケイに平手打ちされた?   なぜ?   オレは血のついた手で左頬を擦った   『いつまでもボーッとしてんじゃねぇよ!カイらしくねぇ!』   ケイはオレの襟首を掴む   『しっかりしろよっ!このままでいいのかよっ!お前には やる事あるんじゃねえのか!!』   痛い首が締まる   しかし…胸はもっと痛い   ケイの言葉が胸にささる   『大ガラスが最後に何か伝えようとしてたってお前言ったよな!それは お前しか分からない事だ!それを ちゃんとカラス天狗達に お前は伝えなきゃいけないだろっ!!』   ケイの怒鳴る声がオレを奮い起たせる   落ち込んでる暇はない   ケイの言う通りだ   オレには大切な大ガラスの遺言を伝える義務がある   『ケイ…ありがとう…』   オレはケイを抱き寄せた   そして強く抱き締める   目が覚めた   『やるよ…オレ……必ず大ガラスの遺言を見つける』    
/742ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1358人が本棚に入れています
本棚に追加