1358人が本棚に入れています
本棚に追加
/742ページ
左頬がジンジンと傷んだ
耳もキーンとする
オレは視線を上げる
もう一度パチンッと左頬を打たれた
『ケイ?』
左頬が熱い…ケイに平手打ちされた?
なぜ?
オレは血のついた手で左頬を擦った
『いつまでもボーッとしてんじゃねぇよ!カイらしくねぇ!』
ケイはオレの襟首を掴む
『しっかりしろよっ!このままでいいのかよっ!お前には やる事あるんじゃねえのか!!』
痛い首が締まる
しかし…胸はもっと痛い
ケイの言葉が胸にささる
『大ガラスが最後に何か伝えようとしてたってお前言ったよな!それは お前しか分からない事だ!それを ちゃんとカラス天狗達に お前は伝えなきゃいけないだろっ!!』
ケイの怒鳴る声がオレを奮い起たせる
落ち込んでる暇はない
ケイの言う通りだ
オレには大切な大ガラスの遺言を伝える義務がある
『ケイ…ありがとう…』
オレはケイを抱き寄せた
そして強く抱き締める
目が覚めた
『やるよ…オレ……必ず大ガラスの遺言を見つける』
最初のコメントを投稿しよう!