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大ガラスの亡骸は やはりここに保管されていた
霧の箱に綺麗に奉られた大ガラス
きっとカラス天狗自ら大事に納められたのだろう
『カイさん何するんです!?』
オレは大ガラスの亡骸を箱から取り出す
アヤカシは人間と違って 死後わざわざ亡骸に手を加えたり探ったりしない
そういう習慣はないのだ
血は拭いとられてはいるが…弾痕はそのままの状態の大ガラス
死後硬直が始まり すっかり固くなっていた
ギュッと握りしめられている足…
オレは傷つかない様に慎重にその足を開いていく
『いい加減にして下さい!!』
カラス天狗がオレの肩に手をかける
『……それは…!!』
僅に開いた大ガラスの指からグシャグシャに握りしめた紙
カラス天狗は見覚えあったのだろうオレの肩を掴んだ手をゆっくりと離した
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